1人飲みで人生が変わった話

電車もバスも乗ったことのない田舎者の僕が1人飲みのおかげで人生がどんどん変わっていった話を小出しにしていきます。

初めてのお酒、初めてのマーライオン

幼き頃から両親は毎晩晩酌をしていました。

 

もちろん兄弟もその環境で育ったのでみんな

「大人って晩御飯では水の代わりにお酒を飲むもんなんだなー」

と思っていました。

しかしある日兄弟がこんな事を言い始めました。

 

「○○ちゃんのお父さんお母さんはお酒飲まないんだってよ?!」

 

大人は義務で酒を飲んでいると思っていた僕には衝撃的でした。

 

 

翌日から友人たちに聞いて回ると毎晩晩酌をしている家庭はそんなにありませんでした…

 

そんな両親のもとで育った僕なので、自分も酒は飲めるだろうしどれだけ飲んでも酔いつぶれることはないだろうとタカを括っていました。

 

始めてお酒を飲んだのは専門学校の飲み会…

僕と同年代の成人祝いやテストのお疲れ様会を兼ねてクラスのみんなで居酒屋に行きました。

人生初のお酒は人生初の飲み放題で始まりました。

2〜3時間の飲み放題で

生中12杯

日本酒2合

レモンサワー数杯

世の中にはこんなの飲んだ内に入らないという方もたくさんいらっしゃいますが、僕の中では

「もしかして…俺って…酒強い?」

というイキッた大学生パターンの思考をしてしまいました。

翌日も二日酔いなどはなく、自分はどれだけ飲んでも大丈夫だという変な自信に拍車がかかってしまいました。

 

 

そんなクソイキり思考な僕がマーライオンになったのは、職場での飲み会でした。

 

ビールも日本酒もグイグイ飲んで、味も分からないのにビールはアサヒが〜サッポロが〜などとのたまっていました。普段は氷結ばかり飲んでいたのに…

飲んでも顔や行動にあまり変化がない僕に先輩方は色々なお酒を勧めてくれました。

この時点での僕はただのイキリストなので匂いの強いお酒がダメでした(ウイスキーなどの洋酒、焼酎など)

しかし、色々なお酒を長時間かけて飲むうちに意識がぼんやりとした事を覚えています。

そう、酔っ払ってしまったのです。

 

「一次会は終わり!二次会行くやつらは好き勝手やってねー」

 

「よっしゃー!じゃあいつものバーに行こうか!」

「あ、いいっすねー!予約しておきます」

「A(僕)行くよね?」

 

…こんな田舎者の自分がついにバーに行けるのか!僕は期待に胸を膨らませました。

レモンハートという漫画はご存知でしょうか?

僕の小学生の頃からの愛読書で、お酒を飲む方だけではなく普通に読み物のとして楽しめる作品です。

バーを舞台にお酒にまつわる話や、お客さんの人間模様などが描かれています。

いつかバーに1人で行くんだ!と夢見ていた僕にはこの誘いはとても有り難く、喜ばしく、夢見心地でお冷(間違えて目の前にあった黒霧島)をストレートで飲み干しました。

 

焼酎のなんとも言えない強い香りが脳へ危険信号を出していましたが、なんのそのです。

酔っ払っているのだから!!

危険信号を無視したまま僕は先輩2人と人生初めてのバーに向かいます。

 

駅からは少し離れた憧れのバーまで若干ふらつきつつも歩いて行き、店に入り「あー店長若かりし時のトムクルーズみたいだなー」と思いながらも何だか寒気がしてきました。

 

武者震いでしょうか?吐き気です。

先輩が僕を紹介してくれます。

「この子はA(僕)です、東北の宮城県からきたんでこれからよろしくお願いします〜!ほら、ちゃんと挨拶して!」

 

僕「あ、どうもよろしくオロロロロロロロ

 

憧れのバーで僕が頼んだのはジントニックでもマンハッタンでもマティーニでもなく

 

なるべくでかいタオルかおしぼり下さいでありました。

その後は阿鼻叫喚、幸い他にお客さんはいませんでしたが大変なご迷惑をおかけしてしまいました…

 

しかし、ここでマーライオンをしていなければ僕は今のような生活を送れていないのであります。

 

続く