菓子折り持って詫びに行こう
バーでは何を飲んだのか?何を食べたのか?記憶になくとも何をぶちまけてしまったのかだけはこの上なく鮮明に覚えている僕は
「あの店に行かなきゃ!」
と漫画の主人公ばりの機敏さで起き上がりました。
学校に行く前にあのトムクルーズの店(以降店長はトム、店はトムバー)に行って全力で謝ってこようとお店に向かいましたが当然のごとく店は閉まっていて誰もいません。
その日は学校が終わってからは仕事が休みでした。①帰宅して自室で謝罪の内容を練る②開店と同時にお店に向かい菓子折りを持ってスーパー謝罪タイム。
これが僕の作戦でした。
憧れの1人でバーに行くという体験が奇しくも酒を飲みにではなく、謝罪に行くという形になってしまいました。
開店までお店の真向かいにあるコンビニの中から店の様子を伺い15分後、立て看板が置かれました。
僕の心の中(いよいよスーパー謝罪タイムか…めっちゃ謝って菓子折り置いてダッシュで帰ろう、うん、大丈夫、ものっすごく謝ろう!よし、GOだ!)
〜お店に突入〜
「あの、昨日ゲ○吐いてしまったAと言います!本当にすいませんでした!これお口に合うか…あっ……」
菓子折りを家に忘れてきました。
手ぶらで謝りに来てしまったのです。
「すいません、あの、菓子折り買って来たんですけど忘れちゃったのですぐ持ってきます!!」
するとトムと店員(ビヨンドネテロに似てるのでビヨンド)は大笑いしながら
「そんなん気にしなくていいよ!良いから飲んできなよー!笑」
僕の人生初の1人飲みはつい昨夜カウンターにゲ○をぶちまけてしまったお店に暖かく迎え入れて頂いて始まりました。